私のボディーガード君
 ガバッとベッドから起き上がると、目の前にいた三田村君が消えた。
 チュンチュンとどこかで雀の鳴く声がする。そして見慣れた私の寝室。

 そうか。今のは夢だったのか。

 うっ、頭がズキッとする。
 昨夜は飲みすぎた。「カラオケ紫式部」での記憶が蘇る。
 三田村君に止められたけど、ビールを2杯、ハイボールを3杯は飲んだ気がする。

 なんか胸やけがして気持ち悪い。

 ピンポーン!

 インターホンが鳴っていたのは夢じゃなかったんだ。

 ピンポーン!

 はいはい。今、出るわよ。
 誰よ。朝から。

 リビングのインターホンに出ると、爽やかな笑顔を浮かべる光源氏が映っている。
 まだ夢を見ているの?

「おはようございます」

 ゴシゴシと目をこすると、映っていたイケメンは光源氏ではなく三田村君だった。
 なんで光源氏に見えてしまったんだろう。早く支度しなきゃ。
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