私のボディーガード君
三田村君以外の男の人なんて無理……。
不安で堪らなくなってくる。

「心配しないで下さい。警護に来るのは女性ですから」
テーブルの向かい側に座る三田村君が私の不安を和らげるように穏やかな笑みを浮かべた。

「警視庁警備課に所属する女性SPが来てくれます。私の同期でして、信頼できる人ですから」

女性と聞いてほっとした。

「実は佐伯大臣のSPから警護員を一人回して頂く事になりまして、今後は私と明日来る女性SPが交代で警護をします」

よく考えると、クリスマスイブから今日まで三田村君がずっと一人で私のボディーガードをしてくれていた。三田村君だってお休みが欲しいよね。

「わかった。三田村君、ずっとついてくれてありがとうね。三田村君が信頼する人なら私は大丈夫よ」

三田村君を心配させないように笑うと、三田村君がほっとしたような表情を浮かべた。

ようやく慣れた三田村君と離れるのは不安だけど、きっと大丈夫。三田村君が信頼している人だもの。

そして、翌朝……。

7時半ごろにインターホンが鳴って、女性SPが迎えに来てくれた。
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