パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
寝室を出たらホテルの部屋のような……とは言わないが、それでも高級マンションのモデルルームのようなリビングが広がっていた。

「僕は顔を洗ってくるから、適当にくつろいでてね」

そのまま駒木さんがリビングから出ていく。
掃き出し窓のカーテンはすでに開いており、外には洋風の庭が広がっていた。

「……一軒家」

ぽすっと座った、アイボリーの革製ソファーは、座り心地が最高だ。

駒木さんが戻ってきてから、私も顔を洗う。
なにもしないよりはマシだと彼のローションを借りた。
化粧はあとでコンビニに飛び込んで足りないものを揃え、なんとかするしかなさそうだ。

「朝食は……」

と、駒木さんは冷蔵庫を開けたが、一瞬だけ中を見たあとすぐにパタンと閉じた。

「……どこかで、食べようか」

こちらを向いた彼が、情けなく笑う。
この生活感の薄い部屋の様子からして、なにも入っていなかったんじゃないかと推測される。

もう少し時間があるからと、コーヒーを淹れてくれた。

「その。
……昨晩はすみませんでした!」

隣に座った駒木さんに勢いよく頭を下げる。
きっと、寝落ちて迷惑をかけた、というのが真相だろう。
昨日はちょっと、飲み過ぎた自覚がある。
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