パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
駒木さんの声は冷たくて、急に周囲の温度が数度下がったように感じた。

「……わかりました」

頭を下げた東本くんにはもうどこにも、昔馴染みという気安い空気はなかった。

東本くんの運転する車で、駒木さんの家を出る。

……き、気まずい。

怒っているのか、駒木さんはドアに頬杖をついてずっと窓の外を見ている。
東本くんも黙って運転していた。

「その。
東本くんと駒木さんって、どういう関係……」

ふたりの身体が同時にぴくんと小さく反応する。
途端に東本くんは話しかけてほしくないオーラを出してきた。

「……なんですか」

なので仕方なく、駒木さんに話を振る。
こちらを向いた彼は、嬉しくて堪らないって顔をしていた。
きっと、犬だったら尻尾を振りまくっていそうだ。

「僕が上司で東本くんが部下なんだ」

「そうなんですね」

東本くんが高ランクの大学に受かったのは知っているが、その後は知らない。
高級官僚らしき駒木さんの部下ってことは、東本くんもエリートなのかな。

そうこうしているうちに会社の近くまで来た。
車通りの少ないところで、東本くんが車を止めてくれる。

「ここで降りてもらっていいか」

「いいよ、送ってくれてありがとう」

東本くんにお礼を言って車を降りる。
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