幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
「ありがとう」

 答えはそれだけだったが、きっとじゅうぶんだった。

 互いの体の存在と、ぬくもりをしっかり確かめ合う。

 確かにここにいてくれる。

 これからは離れることなく、ずっと一緒にいてくれる……。

 これ以上の幸せはないと思った。

「必ず守り抜くと誓う。だから沙也も、俺だけでいてくれるか?」

 やがて清登は少し力を緩めて、沙也の頬に触れてきた。

 沙也はそれにつられるように、埋めていた清登の胸から顔を上げ、清登の顔に視線をやった。

 もう険しさも、緊張も、苦しさもない。

 沙也だけを見つめてくれる瞳は、どこまでも深い、愛がたっぷり滲んでいた。

「もちろん。私の心には、ずっと清登くんしかいなかったもの」

 だから沙也の返事は決まっていた。

 即座に答える。

「そうか。……嬉しい」

 清登の愛おしそうな表情が、もっとほころぶ。
< 301 / 358 >

この作品をシェア

pagetop