クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。


ーーー…

希ちゃんと話終わって、席に着こうとする…が、


(と、通れないっ……)


そう、席にたどり着くまでの道が塞がれているのである。

何にって…人に。いや、女の子たちに。
全員、こちらを見向きもしてないから、私がいるってことに気づきもしていないみたいけど。

私の席は窓側の一番後ろ。つまり、その隣の席に人が集まっているということであって。


女の子たちの視線の先はーーー


(…う、わあ、今日も人気者だなあ綾瀬くん)



クラスの中で、一際目をひく男の子。
綾瀬 弥生(あやせ やよい)くん。

“学年1のモテ男子”って言われている、噂に疎い私でも知っているくらい有名な男の子。

サラサラの濃いめの茶色の髪に、流れるような目。整った容姿は、神様が丁寧に作り上げた作品って言えるくらい…綺麗。

カッコよすぎて、学年1というより、“学校1のモテ男子”と呼ばれることもあるのだとか。


…だけど私にはたぶん、一生関わらない、いや、関わることができない人だと思う。


ぐいぐいと、女の子たちの間を通ってやっとの思いで無事に席に着くことができた。



(…ふう、一段落~)



着席できたことに安心しきっていた私には、隣から向けられた視線には気づかなかった。



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