クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
◇
「くーるみっ!移動教室行こ!」
「うん!」
荷物を持って、駆け足で希ちゃんのもとへ向かう…が、
ーバサバサッ
「わわわっ」
足を滑らせて、つまれていたノートの山を崩してしまった。
(…またやっちゃった…。うう…。)
「もう、大丈夫?ほんと胡桃はドジっ子なんだからー」
なんて言いながら、ノートを集めるのを手伝ってくれる優しい希ちゃん。
自分が少しドジなところがあるのは自覚しているつもり。
だけど、いつも希ちゃんに迷惑をかけるのは申し訳ない。
(ドジっぽいところ、少しでも直らないかなあ……って、)
拾おうとしたノートの先に、思わぬ人がいた。
「ーーーっ、え?」
あ、綾瀬くん!?
なんでこんなところに…。
さっき、男友達と教室から出ていった気がするけど…。
目の前にいる綺麗な彼は、流れるように、かがんでノートを拾った。
顔を上げたら、意外と距離が近くて、
「ーーはい」
「え、あ、ありがとう…綾瀬くん…」
ノートを受け取ると、彼はそのまま教室から筆箱を取った後、歩いて移動教室の方へ行ってしまった。