クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。




「くーるみっ!移動教室行こ!」


「うん!」


荷物を持って、駆け足で希ちゃんのもとへ向かう…が、


ーバサバサッ


「わわわっ」


足を滑らせて、つまれていたノートの山を崩してしまった。


(…またやっちゃった…。うう…。)


「もう、大丈夫?ほんと胡桃はドジっ子なんだからー」


なんて言いながら、ノートを集めるのを手伝ってくれる優しい希ちゃん。

自分が少しドジなところがあるのは自覚しているつもり。

だけど、いつも希ちゃんに迷惑をかけるのは申し訳ない。



(ドジっぽいところ、少しでも直らないかなあ……って、)



拾おうとしたノートの先に、思わぬ人がいた。



「ーーーっ、え?」



あ、綾瀬くん!?
なんでこんなところに…。

さっき、男友達と教室から出ていった気がするけど…。



目の前にいる綺麗な彼は、流れるように、かがんでノートを拾った。

顔を上げたら、意外と距離が近くて、



「ーーはい」



「え、あ、ありがとう…綾瀬くん…」



ノートを受け取ると、彼はそのまま教室から筆箱を取った後、歩いて移動教室の方へ行ってしまった。




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