クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
……そうだよね。あんなに真っ直ぐに思いを伝えてくれているのに、私が逃げるなんて卑怯だ。
「……たぶん今頃、綾瀬焦ってるだろうなー」
(……?)
ほら、と促されて綾瀬くんの方を見ると、
「…なあ弥生。なんでお前最近そんな機嫌悪いの?」
「……べつに」
なんて会話が聞こえてきた。
最近、少し距離を置いてから感じたことだけど、確かに家でも綾瀬くん、いつもより静かな気がする。
……しかも、なんだか綾瀬くんの周りだけ黒いオーラが見えるような……。
「……どうしたんだろう?」
もしかして、あの女の子と何かあったとか……かな。
だめだめ。考えていたら悲しくなってきた……っ。
ー頭をぶんぶんと振って、俊くんに言わなければいけないことについて考えていた。
ーー……
「胡桃ちゃん」
……ついに来てしまった。
教室の扉からひょこっと顔を出す俊くんを見て、ごくりと息をのむ。
ーちゃんと、向き合わなきゃだめだ。
「……俊くん、ちょっと話したいことがあるんだけど…」
「ー…うん、いいよ」
足取りが重く感じながら、覚悟を決めた。
ーー……
着いた空き教室は、日が当たっていないせいか少し暗かった。
「ーそれで、話って俺はフラれるってことかな?」
「……っえ!?」
ば、ばれてる…っ!?
「顔に出てるよ。……それくらい察しちゃうって」
ー途端に、俊くんの目が伏せられて、長いまつげが影をつくる。
見えなかった瞳は、憂いと悲しみを帯びていて。
「……俺じゃだめだった?」
「……本当にごめんなさい。あんなに思いを伝えてくれたのに…」
もう一度、ごめんと言って頭を下げると、
「いつも王子様なんて言われている俺を助けてくれたのは、初めてだったから」
まだ瞼は、伏せがちのままで。