クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
「俊くんの気持ちはとっても嬉しかったよ、……だけど、応えられません、本当にありがとう……っ」
「……うん、本当に。俺もあそこまで本気になったのは初めてだったのになあ」
俊くんが机に腰かけたかと思えば、ちょっぴり恨めしそうな目でじとっと見つめられた。
張りつめていた場の緊張が、少し緩んだ気がする。
「うぅ、ごめーー」
「そんなに綾瀬のこと、好きなんだ?」
「っ、え……っ!?」
えええっ……!
それもばれてるの…っ!?
「あはは、バレバレだよ。めちゃめちゃ分かりやすいのに。…まあ、ずっと見てたからって言うのもあるんだけど」
「うぅ…」
……ばればれだったなんて。
「そんなに私、顔に出てたの……?」
ってことは、まさか綾瀬くんにも…?
うう……。もう恥ずかしいよ……。
「あはは、顔真っ赤じゃん」
「もう、からかわないで…!」
ー私たちの間に穏やかな空気が戻ってきた。
そう思うと安心した。
気がつくと、六時間目の授業が始まる2分前。
「ーー胡桃ちゃん、先に教室戻ってていいよ」
「……え、でも時間ーー」
「ー行ってて。俺は遅れていくから」
「……、うん」
じゃあ行くね、と扉に手をかけたとき。
「ーーっ、ありがとう……っ俊くん…っ」
「…っこちらこそ、ありがとう」
何が、なんて聞かなくても分かる。
俊くんの声は、少し震えていた気がした。