迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。


12時を少し回ったお昼休み。

約束の通り、理子と話をするため、社員食堂の一番奥のテーブルに私達は陣取った。
理子は椅子に座ろうとする私の姿を、足元の靴から服の前や後ろをじっくりと観察。
そしてなにかを悟ったように大きく頷き深く息を吐いた。


「ねぇ、唯が今日着ている服って、なかなか手に入らない人気のハイブランドでしょ?」

「そうかも知れないけど…でも、私はあんまり服に詳しくないからよく分からないのよ…。」


唯の言葉を聞いて、理子は両手を広げて、呆れた表情をする。


「唯、もう一度聞くけど、何があったの?」


理子に嘘はつけない。

今回起こった一連の出来事をすべて話すことにした。
直人に別れを告げられたこと、天井からの水漏れ、そして、蓮と玲也の話。
そしてこの服を着る事になった理由も全て話したのだ。
すると、理子は急に目を大きく輝かせて、興奮気味に声を上げた。


「唯!すごいよ!こんなチャンスは二度とないよ。その玲也っていう人はどこの会社の経営者なの?出会えただけでも最高だよ。直人なんて、もうあんなやつ忘れちゃいな!唯のほうからあいつに見返してやりなよ!」

「う…ん。直人のことは、いろいろ事件があって少し気がまぎれたというか…でも玲也さんは、どこの会社とか何も知らないし…フランスから帰って来たことくらいしか分からないの。それに、ただ弟の代わりに責任とってくれているだけだよ。」



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