迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
「…唯さん…唯さん…風邪ひきますよ…唯さん!」
夢の中で玲也が私に声を掛けてくれているようだ。
例え夢でも、待っていた玲也が帰って来たのは嬉しい。
目は明かないが口元は思わずニヤリとする。
「…唯さん…起きてください。」
やけにリアルに耳元で声がする。
…っえ、これは夢では無いの!!
本物の玲也が私を起こしていたのだ。
「あっ…私…あれ?…これは夢?」
玲也はクスッと笑いながら私の頭に手を置いた。
「唯さん、夢じゃなくて、ほら僕は本物ですよ…何か楽しい夢でも見ていたのですか?」
現実に引き戻された私は、急に鼓動が早くなり、恥ずかしさで顔が沸騰するように熱くなる。
「も…申し訳…ございません!!…私、寝てしまったようですね。」
玲也は私の顔を覗き込んだ。
「もしかして、夕食待っていてくれたのですか?…ごめんなさい。こんなに遅くなってしまって。」
玲也はテーブルに置いてあった料理を見ていたのだ。
「そんな…私が勝手に作って待っていただけなので…それにもう遅い時間ですから、片付けますね。」
私が慌てて立ち上がると、玲也は後ろから大きな声を出した。
「食べましょう。僕も接待ではたいして食べていないのです!!」