迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
さすがに知らない人の部屋にお邪魔するのは気が引けるけど、背に腹はかえられない。しばらくの間、居られる場所があるなら、こんなに有難いことはない。
一番の親友である理子(りこ)も、彼と同棲を初めたばかりと聞いて居る。
しばらく泊めてなんて言えるわけもない。
私は少し考えた結果、その男の子の提案に乗ることにした。
スーツケースに必要な荷物を詰めるが、服は殆んど水に濡れてしまっている。
乾かせば着れそうな服や日用品を入れて、なんとか荷造りを終らせた私は男の子とタクシーで移動することにした。
タクシーの中で男の子は申し訳なさそうに自己紹介をした。
「あの…僕の名前は蓮(れん)です。大学生です。お姉さんの名前を聞いていい?」
「私は花宮 唯(はなみや ゆい)。こうみえても会社に勤める会社員。」
「唯さん…今回のことは、本当にごめんなさい。弁償とか今後のことは、また相談させて欲しいです。あっ、よかったらL●NE教えてくれる?」
「弁償はいいよって言いたいけど、しばらくあの部屋は使えそうもないから、お兄さんの所を借りられるなら本当に助かる。そうだね蓮君の連絡先としてL●NE必要だね。」
私達が連絡先を交換しているうちに、タクシーは蓮が言った住所に到着したようだ。
しかし、タクシーを降りた私が見たものは、信じられないものだった。
「蓮くん、君のお兄さんって、何をしている人なの?ここ…本当にお兄さんのマンションなの?」
目の前に聳え立っていたのは、驚くほど豪華な高級マンションだった。
高層のマンションは何階まであるのか分からないが、下から見上げるその高さは圧巻だ。
「唯さん、まぁ細かい事は気にしないで、ここの最上階が兄貴の部屋だよ。兄貴はちょっとした会社の経営者なんだ。でもめったに日本に帰ってこないから大丈夫だよ。」