迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
「蓮くん、いいよ!荷物くらい自分で持てるから。」

私のスーツケースを運ぼうとする蓮を止めるように声をかけた。

「大丈夫だよ。女の子に荷物は持たせるなって、小さい頃から言われているんだ。気にしないで、僕に任せて!」

蓮は私の方を向くと、片目を閉じてウィンクをする。
なんだか年下の男の子なのに、ドキッとしてしまった。
何度も言うが、美形に作られたお人形のように完璧とも言える顔をしている。
男の子なのに、美しいという言葉がよく似合う。

私のドキドキとは裏腹に、蓮はスタスタとエレベーターホールに足早で歩き、エレベーターの前に立った。

すると、センサー式なのか、エレベーターはボタンを押さなくても自動でドアが開く。

「唯ちゃん、早くおいでよ。」


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