迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
私がエレベーターに飛び乗ると、ドアが滑らかに閉じて、自動で動き出したのだ。
まだ、行き先ボタンも押していない。
私がポカンとした顔をしていることに気がついた蓮が説明を始める。
「このエレベーターは、家のカギを持っているだけで、自動で最寄りの階まで言ってくれるんだよ。」
「へぇ~便利。」
「しかも、最上階は兄の部屋だけだから、このカギを持っていない人は最上階まで上れないようになっているんだよ。」
なんだか、とんでもない所に来てしまったようだ。
蓮の兄は何者なんだろう。
「唯ちゃん、到着だよ」
最上階まで上ったエレベーターが開く。
「ねぇ、蓮くん…唯ちゃんって呼んでるけど、私は年上なんだからね。」
「ハイハイ、可愛い女性は年上でもちゃん付けで呼びたいんだ。…さぁ着いたよ、兄の部屋だけど気にしないで入って来て。」
マイペースな蓮に呆れながらも、ドアを開けた蓮に続いて部屋に入る。
「ちょ…ちょっと…蓮くん!ここが本当にお兄さんの部屋なの?」
マンションの入口でも、その豪華さに驚いたが、実際の部屋に入ると、さらに驚いた。
どのくらいの大きさがあるか、わからないほど広いリビング。
一面ガラス貼りで、窓から見える夜景にも圧倒される。
東京が一望できるのではないかと思う景色だ。
これは以前にスカイツリーの展望台に登った時に見た景色に似ている。