捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 大人二人が今の言葉で妙な雰囲気になったのに比べ、少年はあっさりとそれで満足したみたいだった。
「今日は牛肉とトマトの煮込みにするか、ポル鳥のソテーにするか。あとは、ポル鳥のグラタンも時間はかかるけどできる」
 ポル鳥というのは、このあたりに出没する鳥型の魔物だ。比較的簡単に捕らえることができ、駆け出しの冒険者にとっていい収入源らしい。
 魔物といいつつ、実害と言えば野営の時に鳴き声がうるさいぐらいのもの。肉は大変美味で、燻製にするといい酒の肴になるそうだ。イオレッタも何度か食べたことがある。
「せっかくだから、グラタンにしようかなぁ……」
 いつもは時間に追われて食事をしているけれど、今日はゆったりと食事をすることができる。ポル鳥のグラタン、美味しそうだし。
「あ、時間かかっても大丈夫……ですか……?」
「問題ない。じゃあ、俺は煮込みにする」
 今日は一人ではないのだから、相手の都合もちゃんと確認しておくべきだった。
(私ってば、こういうところが駄目なのよねぇ……)
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