捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 元婚約者と出かけたことがないとは言わないけれど、食事をする店も、休憩をするカフェも、すべて使用人達の手によって事前に予約されていた。
 こうやって街中をぶらぶらすることもなく、出かけると言えば事前に使用人が決めたルートにそって順番に回るだけ。互いに相手に気を使う必要もなかった。
 だとしても、クライヴへの気遣いが足りなかったことを反省した。次に生かす機会があればいいけれど。
 注文を取った少年は、店主に注文を届けに行く。改めて二人は話を始めたけれど、自然と会話は薬草不足の件についてになってしまう。
「しかし、薬草の群生地が駄目になったというのは問題だな」
「そうなんですよね。回復魔術も万能じゃないし、回復魔術を使える人がいないパーティーにとっては、ポーションは命綱ですもんね」
 群生地を取りつくそうとするなんて、薬草採取の基本がわかっていない。
「代官に通達を出してもらうか。冒険者以外にも、採取に向かってるやつがいるのが問題だろ」
< 104 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop