捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
「ええと、次はゴリンゴね?」
『ここから東の方に二十分くらい』
 水生植物が多く見られるあたりだろうか。それなら、グルニアタケというキノコも見つけられるかも。それが終わったら、ラタニィア花だ。
 こうして、アルディに案内してもらって群生地を教えてもらう――必要に応じて薬草を育てる――新たな群生地に向かう――という工程を繰り返し、イオレッタがロシードに戻ったのは、日が暮れてからになってしまった。
「よかったら、この薬草使ってください!」
 イオレッタが、薬草でパンパンの袋を差し出すと、どっと歓声があがった。
「ええとですね。いくつか新しい群生地を発見したのと――取りつくされていたと思っていた群生地が復活したのも見つけたので。情報は共有しますね」
 ちゃんと地図に印をつけておいた。イオレッタはできる冒険者なのだ。
 普段は依頼が張り出される掲示板に大きな地図が張り出される。イオレッタはそこにどんどん印をつけていった。
「ねえ、この情報公開しちゃっていいの?」
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