捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 きっちり魔物討伐や遺跡探索を行っている冒険者達からしたら笑ってしまうような冒険だろうけれど、自分の力で生計を立てる。イオレッタにはそれだけでも大冒険なのだ。
「悪い、待たせたな」
 あっという間に組合長への報告を済ませたクライヴ達が戻ってくる。なんだか、彼らが自由の象徴のような気がして、胸がきゅっとなった。
 組合をあとにし、四人で連れ立って歩く。
 依頼でもないのに、こうやって彼らと歩いているのは不思議な気分だ。十分は遠いと思っていたけれど、おしゃべりしながらだとあっという間だった。
 目指す目的地は、大通りからは少し離れていて、周囲は閑静な住宅街だった。
 レンガ造りの建物は趣があるが、誰も手入れしていないのか、庭は草ぼうぼうである。
「思っていたより素敵な家ですね! 大掃除しないといけませんけれど」
「悪くはないよねー。最初、うちの本拠地にしようかなって思ったんだけど」
 と、レオニード。
「幽霊がいる家なんて嫌に決まってるだろ? 幽霊は怖くないがうるさいのは嫌だ」
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