捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 母が結婚をした時、候補者は何人もいたという。けれど、母が選んだのは父だった。
 顔か、大事なのは顔だったのか。たしかに父は精霊使いとしてそこそこの能力を持ってはいるけれど、母の方が強い力を持っていただろうに。
 好きな相手と結婚はしたけれど、相手には他に愛する女性がいた。本当にそれで満足だったのだろうか。
無理やり結婚して、妻として認められないまま何年も共に暮らすなんて、イオレッタには想像もつかない。
(――自分は愛した人と結婚して幸せだったかもしれないけど、そのツケを私が払うことになるって考えていたのかしら)
 生母が死亡するなり家にやってきた〝母〟と〝妹〟。イオレッタの好きなものはすべて彼女達に取り上げられ、自分の家だというのに、息をひそめるようにして生きてきた。
 最終的に婚約者を奪われたのがきっかけではあったけれど、いつかあの家を出ていこうと自立の準備を進めていたから、引きこもっていたとは言えないけれど。
(私は、一人ではないしね――そうでしょう?)
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