捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 イオレッタと目線が合うところまで降りてきた幽霊は上目遣いになった。幽霊なのに上目遣いというのがわかる。
 というか、先程はうっすらとしていて今にも消えそうだったのに、どんどん姿が濃くなっているような。
「私、あいつに殺されたのよねー」
 殺された。そんな噂もあるのは聞いている。
「じゃあ未練があるって、あなたを殺した男を殺したいってこと? 復讐ご希望なの?」
「うーん、死んだばかりの頃はそう思ってたんだけど、よく考えたらどうでもいいかなって。だって、恋人と上手に別れられなくて殺すような馬鹿な男よ? それに、もうあいつも死んでるし」
「もう殺してたっ」
「違う違う。別の町で借金返せなくなって、簀巻きにされて川にポイ」
 なんでも幽霊ネットワークでそのあたりのことは伝わってくるのだそうだ。
 幽霊ネットワークってどこまで張り巡らされているのだろう。
「これでも私、生きてる頃は尽くすタイプだったんだから!」
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