捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 イオレッタと別れたクライヴは思わず吠えた。
 幽霊と同居でけろりとしている彼女はどうなのだ。肝が据わっているとかそういうレベルで片付けてはいけない。
 だいたい祓わず同居する理由が「女性の一人暮らしは不用心だから」という理由はどうなのだ。それでいいのか。相手は幽霊だ。
「でも、間違ってはないよ? ゼルマちゃんの魂は救われたっていう意味じゃ間違ってないからね。なんで、この世にとどまりたがっているのかはわからないけど」
「イオレッタさん、面倒見がいいですよね」
 タデウスの言葉には、クライヴも同意である。
 生きている人間だけではなく、魂だけの存在にまでイオレッタは優しい。
「ゼルマちゃんは強力な精霊になるんじゃないかな。イオレッタちゃんが、あの家を訪問したのは女神の采配と言っていいかも。やー、いいもの見られたなあ」
 実際に采配したのは女神ではなくマーガレットだが。そしてゼルマを『ちゃん』付けで呼ぶか。
 ――けれど。
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