捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
「さて、それはともかくそろそろスィア湖だよ? イオレッタちゃんは初めてなんだよね」
 御者台にいたレオニードが振り返る。観光名所となるのだから、きっと美しい光景が見られるはず。
「わあ、すごいですね……」
 坂道を下り始めたら見えてきたのは、大きな湖だった。空の青を反射し、湖面は青い。風にそよぐ湖面が、ゆらゆらと光を放っている。
「精霊がいるのはよくわかります。だって――こんなにも精霊達が喜んでいるから」
「湖の大精霊という呼び方でいいのか?」
 他の人には見えていないだろうけれど、イオレッタの目には精霊達が湖の周囲を飛び回っているのが見える。
 クライヴは湖の大精霊をどう呼べばいいのか迷っているみたいだ。
「名前をつけると契約することになってしまいますからね。基本的には湖の大精霊という呼び方でいいと思いますよ。相手が名乗れば別ですが――精霊によっては、名前を持っていることもあるみたいです」
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