捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
『いらない!』
「うわあ!」
ぶちり、と頭の中で何かが切れるような音がした。激しい痛みに、トラヴィスはその場にひざをついてしまった。
「ボーレン、どうした! 俺の言うことを聞け!」
『断る! お前の命令は聞かない! 聞かない!』
ボーレンと意志の疎通を図ることができない。今まで、一度もこんなことはなかった。
(魔力をくれる人がいないって、どういうことだ?)
魔力を練り上げ、ボーレンを縛ろうとするものの、じたばたと暴れるボーレンを押さえつけることすらできない。
『もう、ここにはいたくない!』
「やめろ!」
思いがけず反抗され、思わず魔力を強めてしまった。ボーレンは魔力でぎゅうっと締め上げられ、苦しそうな声をあげる。
「命令だ、ボーレン。土を育てろ」
『わかった……』
危ない、とひそかにトラヴィスは額に滲む汗をぬぐった。危うく魔力を暴走させてボーレンを消滅させてしまうところだった。
「うわあ!」
ぶちり、と頭の中で何かが切れるような音がした。激しい痛みに、トラヴィスはその場にひざをついてしまった。
「ボーレン、どうした! 俺の言うことを聞け!」
『断る! お前の命令は聞かない! 聞かない!』
ボーレンと意志の疎通を図ることができない。今まで、一度もこんなことはなかった。
(魔力をくれる人がいないって、どういうことだ?)
魔力を練り上げ、ボーレンを縛ろうとするものの、じたばたと暴れるボーレンを押さえつけることすらできない。
『もう、ここにはいたくない!』
「やめろ!」
思いがけず反抗され、思わず魔力を強めてしまった。ボーレンは魔力でぎゅうっと締め上げられ、苦しそうな声をあげる。
「命令だ、ボーレン。土を育てろ」
『わかった……』
危ない、とひそかにトラヴィスは額に滲む汗をぬぐった。危うく魔力を暴走させてボーレンを消滅させてしまうところだった。