捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
イオレッタが暮らしている家の庭はかなり広い。精霊もそこにたくさん来るし、あのドラゴンの大きさならたぶん入ることはできる。
イオレッタの花壇や菜園は諦めないといけないだろうけれど、この街が孤立してしまうよりはだいぶましだ。
「いや、それより組合の庭はどうだろう」
と、組合長。それはそれで問題のような。
「お願いはしてみましょうよ。どこに移動するかはドラゴンさんにお任せするとして。私とドラゴンさんは相性がいいってヴァネッサが言うので、ちょっとお願いしてみます」
「そうしてみるか。頼む」
変なのとふわふわする頭で考える。クライヴに頼むと言われただけで、なんでこんなに嬉しくなってしまうのだろう。
(……馬鹿なことは考えない。クライヴさんも、仕事だからでしょ)
浮つく気持ちを懸命に抑えつける。
クライヴに頼りにされて嬉しいのは、イオレッタの勝手な気持ち。クライヴに押し付けるわけにはいかないのだ。
「――ドラゴンさん、お話をさせてもらえませんか?」
イオレッタの花壇や菜園は諦めないといけないだろうけれど、この街が孤立してしまうよりはだいぶましだ。
「いや、それより組合の庭はどうだろう」
と、組合長。それはそれで問題のような。
「お願いはしてみましょうよ。どこに移動するかはドラゴンさんにお任せするとして。私とドラゴンさんは相性がいいってヴァネッサが言うので、ちょっとお願いしてみます」
「そうしてみるか。頼む」
変なのとふわふわする頭で考える。クライヴに頼むと言われただけで、なんでこんなに嬉しくなってしまうのだろう。
(……馬鹿なことは考えない。クライヴさんも、仕事だからでしょ)
浮つく気持ちを懸命に抑えつける。
クライヴに頼りにされて嬉しいのは、イオレッタの勝手な気持ち。クライヴに押し付けるわけにはいかないのだ。
「――ドラゴンさん、お話をさせてもらえませんか?」