捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
「んー、どこからか買ってこないとダメってことかしら?」
「そうするしかないな、今年のところは」
 精霊達が反抗的になっているだけではない。
 このところ、どういうわけか精霊が姿を見せなくなってきたのだ。
 今、契約している精霊との契約を解除し、新たな精霊と契約を結ぼうにも、精霊がいないのでは契約の結びようもない。それに、精霊が姿を減らしていることで、土地そのものに力がなくなりはじめている。
(……俺が継ぐ頃には、落ちぶれていたなんてことになったら目も当てられないからな)
 トラヴィスもまた、領主として勤勉であろうとした。彼の姿勢も間違ってはいない。イオレッタの扱いがアレだっただけで。
「だったら、お野菜はどこかから買うしかないわよね? 国内で売ってくれるところはあるかしら?」
 おっとりとシャロンは首を傾げる。
 シャロンもまた、民を飢えさせてはならないことぐらいきちんと心得ている。それ以上の難しいことについては、夫に任せるべきだとも思っているけれど。
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