捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 シャロンがこの家の跡取りだが、難しいことは全部トラヴィスに任せておけばいい。なので、領のことについて考えるのは放棄した。
 イオレッタを追い出して、シャロンを跡取りにしてくれたように。
「プラディム王国に買い付けにいくしかないな。王都の大商人と直接話をした方がいい。トラヴィス、君に任せてもいいか?」
「任せてください。シャロンの夫として、ふさわしい男であると証明して見せます」
「私も、トラヴィスと一緒に行っていい? プラディウム王国で、宝石を買いたいの」
 プラディム王国の宝石細工は、ラタント王国の女性ならば喉から手が出るほど欲しいもの。豪華かつ繊細な細工は、この国の職人ではなかなか難しい。
「そうだな。お前も経験を積むことが必要だから行ってきなさい。トラヴィスと一緒ならば、間違いもないだろうから」
「ありがとう、お父様!」
 シャロンは飛び上がって喜ぶ。彼女の頭の中は宝石でいっぱいだ。トラヴィスが横で難しい顔をしているのも、まったく気にならなかった。
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