捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
特に勘が鋭い方というつもりもないのだけれど。足を止め、ぐるりと視線を巡らせる。
「嘘でしょ!」
思わず口から零れた。向こう側から走ってくる馬車には、ベルライン家の紋章がついているではないか。
この街は国境の地にある。人の行き来が多いのは理解していたけれど、まさかベルライン家の人達がここを通るとは思ってもいなかった。
(私……私を捜しに来たわけじゃないよね……?)
家を出ていけといったのは、あの人達。今さらイオレッタも戻るつもりはない。
きっと通りがかっただけだ。だって、ここは国境。誰が行き来していたっておかしくない。懸命に自分にそう言い聞かせるけれど、手のひらが冷たい汗をかいている。
「どうした? 家に行くのではなかったか?」
立ち止まってしまったイオレッタの顔を、セルヴィハがのぞきこんでくる。彼に返す言葉を持たなくて、ただ、手のひらを彼の方に向けて大丈夫だと合図する。
「セルヴィハ、イオレッタは具合が悪そうだ。とりあえず、家に連れ帰ろう」
「嘘でしょ!」
思わず口から零れた。向こう側から走ってくる馬車には、ベルライン家の紋章がついているではないか。
この街は国境の地にある。人の行き来が多いのは理解していたけれど、まさかベルライン家の人達がここを通るとは思ってもいなかった。
(私……私を捜しに来たわけじゃないよね……?)
家を出ていけといったのは、あの人達。今さらイオレッタも戻るつもりはない。
きっと通りがかっただけだ。だって、ここは国境。誰が行き来していたっておかしくない。懸命に自分にそう言い聞かせるけれど、手のひらが冷たい汗をかいている。
「どうした? 家に行くのではなかったか?」
立ち止まってしまったイオレッタの顔を、セルヴィハがのぞきこんでくる。彼に返す言葉を持たなくて、ただ、手のひらを彼の方に向けて大丈夫だと合図する。
「セルヴィハ、イオレッタは具合が悪そうだ。とりあえず、家に連れ帰ろう」