捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
宿をあとにし、湖の方に向かう。すでに日は落ちていたけれど、湖にはたくさんの精霊達がいた。思い思いに空中に漂い、時々イオレッタに近づいては離れていく。
(私、変だ。クライヴさんの顔が見られない)
クライヴには、「城に戻るまでの間は、クライヴはクライヴだ」と言ったはずだった。何も変わらない、とも。なのに、イオレッタの方が、こんなにも身分を気にしてしまっている。
『イオレッタ、宿に帰った方がいいわ』
そうヴァネッサが声をかけてくる。イオレッタの目線の高さにシロクマが浮かぶ。水の精霊ヴァネッサだ。イオレッタと契約している精霊達の中でもお姉さん格。
「ん、でもね……」
まだ、宿に戻って冷静に振る舞う自信はない。もっと早く気づいていたらよかったのに。
『イオレッタ、痛い? お腹』
「ソムにはそう見えるのかな? お腹は痛くないんだけど」
しゅるりと腕に巻き付き、そこから肩まで上ってきた小さな蛇が、イオレッタの頬に舌で触れる。痛いのは、お腹じゃなくて胸だ。
(私、変だ。クライヴさんの顔が見られない)
クライヴには、「城に戻るまでの間は、クライヴはクライヴだ」と言ったはずだった。何も変わらない、とも。なのに、イオレッタの方が、こんなにも身分を気にしてしまっている。
『イオレッタ、宿に帰った方がいいわ』
そうヴァネッサが声をかけてくる。イオレッタの目線の高さにシロクマが浮かぶ。水の精霊ヴァネッサだ。イオレッタと契約している精霊達の中でもお姉さん格。
「ん、でもね……」
まだ、宿に戻って冷静に振る舞う自信はない。もっと早く気づいていたらよかったのに。
『イオレッタ、痛い? お腹』
「ソムにはそう見えるのかな? お腹は痛くないんだけど」
しゅるりと腕に巻き付き、そこから肩まで上ってきた小さな蛇が、イオレッタの頬に舌で触れる。痛いのは、お腹じゃなくて胸だ。