捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
イオレッタがあれだけすごい精霊使いなのだと知っていたら、シャロンに乗り換えるようなことはしなかったのに。
ベルライン家には強い精霊使いが必要だ――だから、イオレッタを取り戻さなくてはならないのだ。そもそも自分がベルライン家にとっては他人であることさえも、トラヴィスの頭からは消え失せていた。
「……トラヴィス様、トラヴィス様ってば!」
不意にシャロンの呼ぶ声がして、トラヴィスは現実に引き戻された。
ゴトゴトと走り続ける馬車の中、ベルライン伯爵は不機嫌を隠そうともせず、こちらを見ていた。
「いいご身分だな、婿殿。私の言葉をまったく耳に入れないとは」
「し、失礼いたしました……! どうやら、旅の疲れが出たようで」
「そんなものまったくないって朝は言っていたのに」
慌ててごまかすと、シャロンは唇を尖らせた。
「すまない、シャロン……とんでもないものを見てしまったからね」
ベルライン家には強い精霊使いが必要だ――だから、イオレッタを取り戻さなくてはならないのだ。そもそも自分がベルライン家にとっては他人であることさえも、トラヴィスの頭からは消え失せていた。
「……トラヴィス様、トラヴィス様ってば!」
不意にシャロンの呼ぶ声がして、トラヴィスは現実に引き戻された。
ゴトゴトと走り続ける馬車の中、ベルライン伯爵は不機嫌を隠そうともせず、こちらを見ていた。
「いいご身分だな、婿殿。私の言葉をまったく耳に入れないとは」
「し、失礼いたしました……! どうやら、旅の疲れが出たようで」
「そんなものまったくないって朝は言っていたのに」
慌ててごまかすと、シャロンは唇を尖らせた。
「すまない、シャロン……とんでもないものを見てしまったからね」