捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
「ご迷惑おかけしました――!」
反射的に頭を下げる。
自分でも気づいていない間に、クライヴへの好意は周囲に漏れていた。いや、漏れまくっていた。今さらながらに、恥ずかしくなってくる。
「それはまあいいんだけどね? 身分が違う? そんなの何よ。関係ないじゃない。今は、二人とも冒険者なんだから」
ふんすっと鼻息荒く主張するけれど、二人とも冒険者なのは今だけだということをゼルマはわかっているのだろうか。クライヴはいずれ王宮に戻って王子としての生活に戻る。
「あんたねえ、私の前で身分が違うとか言わないでくれる? こっちは生者と死者っていう高い壁があるのよ。高すぎるわよ」
「そ、それは……」
ゼルマは家から出られないけれど、家の前を行き来している人を見ることはできる。最近、一人、気になる青年ができたのだそうだ。
もちろん、先方はゼルマの存在なんて知るはずもない。ゼルマは敷地から出ることはできないし、今のところ直接話しかけることもしていないのだから。
反射的に頭を下げる。
自分でも気づいていない間に、クライヴへの好意は周囲に漏れていた。いや、漏れまくっていた。今さらながらに、恥ずかしくなってくる。
「それはまあいいんだけどね? 身分が違う? そんなの何よ。関係ないじゃない。今は、二人とも冒険者なんだから」
ふんすっと鼻息荒く主張するけれど、二人とも冒険者なのは今だけだということをゼルマはわかっているのだろうか。クライヴはいずれ王宮に戻って王子としての生活に戻る。
「あんたねえ、私の前で身分が違うとか言わないでくれる? こっちは生者と死者っていう高い壁があるのよ。高すぎるわよ」
「そ、それは……」
ゼルマは家から出られないけれど、家の前を行き来している人を見ることはできる。最近、一人、気になる青年ができたのだそうだ。
もちろん、先方はゼルマの存在なんて知るはずもない。ゼルマは敷地から出ることはできないし、今のところ直接話しかけることもしていないのだから。