捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 まだ言葉はつたないけれど、懸命にイオレッタに気持ちを伝えてくれるソア。
『イソイデ、ハヤク』
 フェオンが急かす。
 聞こえる。イオレッタの名前を呼んでいる声が。
 そちらに向かって歩き始める。歩き始めて、走って、走って――そして、真っ白な光の中に飛び込んだ。

「――イオレッタ!」
 どうやら、精神だけどこかに飛ばされていたみたいだ。クライヴが、イオレッタの身体を支えてくれていた。
「急に目を開いたまま固まるからびっくりしたぞ! 大丈夫か?」
「だ、大丈夫です……」
 肩を掴まれている。目を開いたまま固まってたって、どんなひどい顔をしていたんだろう。
「……とりあえず、落ち着いたってことでいいのかな」
「そうだと思います。ちょっと精霊神様と話してたので……でも、」
 精霊神が落ち着きを取り戻した時には、あたりはひどいありさまになっていた。
 湖の側に出されていた屋台はバラバラになり、あちこちに散らばっている。
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