捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 森の奥に消えた二人も、それぞれ枯れ木を抱えて帰ってきた。タデウスの方は追加の水まで汲んできてくれた。
 三人分の水を追加したので、ちょうど湯がわき始めたところだった。鞄の中から取り出した薬草を適当にちょいちょいとちぎり、どんどん鍋に放り込む。
 五分ほど煮たてたところで完成。それぞれ自分の物入からカップを取り出したので、注いでいく。
「うっわ、いい香り。それに、なんとなく甘い、みたいな?」
「本当においしいですね。普通に煮だすとえぐみが出やすいのですが――この甘みで疲れが取れる気がしますね」
 レオニードとタデウスも、気に入ってくれたらしい。
「疲労回復効果のある薬草を中心に選んでみましたー」
「なるほどー、イオレッタちゃん、才能ある!」
「あはは、ありがとうございます」
 三人の中で一番率直に感想を口にしたのは、レオニード。
「これは飲みやすいな。たしかに、疲れが取れる……気がする」
 ほんのりじんわりなんとなく、を思い出したのだろう。クライヴの肩が小さく揺れた。
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