仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。

忍くんが、黒瀬財閥の息子さんということは秘密。

それも、2人だけの……!


なんだか2人だけの秘密という響きが嬉しくて、帰ってからもドキドキしていた。


でもそんな私とは逆で、少しご機嫌斜めなお兄ちゃんがいた。


「千幸……黒瀬財閥のヤツと、結局……!!」

「お、お兄ちゃん落ち着いて……!!」


頭を抱えながら、廊下を行ったり来たりしていた。


「いいんだぞ、家のために結婚しようだなんて考えなくて!」

「ちがうよ!」


私が好きになったのは、変装している忍くんだった。

黒瀬財閥の息子……つまり、お金持ちだからじゃない。


「忍くんには事情があるの。私が忍くんのこと好きなのは、本当だよ!」


自分で言っちゃうのは恥ずかしいけれど、私の不幸体質だって、最近嘘みたいに消えてきた。

きっと、忍くんが運命の人で……私に幸福をくれてるんだと思う!
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