仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
本当、友達ってすごいなぁ〜!


それからしばらくが経って、例の体育の時間が来てしまった。


最初に走るのは女子だ。

4チームに分けられていて、私は3番目。


一番最初の子達が走り始めて、ドクドクと心臓の鼓動が早くなって行く。


き、緊張してきた。


もうバトンは2番目の子に渡されていて、私は位置に着き構えていた。


「椎名さん頑張れ」


横からそんな声がする。

忍くんだ……!


目を合わせて、コクッと頷く。

優しく笑ってくれて、そんな笑顔に救われて。

少し緊張も和らいで、私はバトンを受け取り走り出した。


前の子がリードしてくれていたおかげで、後ろとは少し差がある。


よし、このまま頑張るぞ……!!


と、思った瞬間だった。


「……へっ」


遠くの方からボールが飛んできて、足元に当たったのだ。


まさかそんなことなんて想定していなくて、転びそうになる。

< 37 / 239 >

この作品をシェア

pagetop