仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
「っ……!」


どうにか体制を戻すもやはり転んでしまった。

だけど手をついていたので、砂利が痛いけれどすぐに起き上がって走り出す。


「椎名さん……頑張れ!!」


また忍くんの声がして、背中を押されるような気分で走る。

膝にも砂利がくっついて、めちゃくちゃ痛い……。


息を切らしながらどうにかバトンを繋いで、終わった人たちが集まるゾーンに行き、ぼーっと体育座りをしていた。


「椎名さん!大丈夫?」

「忍くん……!うん、大丈夫だよ!応援してくれてありがとう、おかげで頑張れちゃった」

「そっか……それはよかった。」


申し訳なさそうな顔をする忍くん。

気にしなくていいのに……。


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