時をこえて、またキミに恋をする。
いつかはあっちの時代へ帰ってしまうんだ。


「でも、だからこそ、俺は気持ちを伝えておきたかった。じゃないと、元の時代へ戻ったとしてもずっと後悔することになるから」


ニッと口角が上がる宗治。

それを見て、わたしも思わず頬がゆるむ。


ほんと…バカだよ。

やっぱり宗治はバカだよ。


今度こそ都子姫と結ばれるために、わざわざタイムリープしてきたっていうのに。


…なのに。

なんで、好きになる相手がわたしなわけ。


なんだかバカバカしい…。

だけど…、どうしようもないくらいうれしい。


「都子姫と顔が同じだからとか生まれ変わりだとか、そんなことはどうだっていい。俺は、高倉都美のことが好きなんだ」


その瞬間、わたしの目に涙が浮かんだ。


宗治が好きな人は、都子姫。

それは覆ることのない絶対的条件。
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