時をこえて、またキミに恋をする。
わたしの想いなんて伝わるはずない。

もし宗治が知ったところで、どうにもならない。


…そう思っていたから。


でも、宗治もわたしと同じ気持ちだということがわかって、うれしくてうれしくてたまらない。

時をこえて、結ばれることになるなんて。


「わたしも…。春日井宗治のことが好きっ」


そう告げると、宗治はわたしに手を伸ばすとそっと抱きしめた。

わたしも宗治の広い背中に手をまわし、ギュッと抱きしめた。


この日、わたしたちの想いは1つになった。

宗治と結ばれたこの夕暮れの出来事は一生忘れない。


ずっとそばにいたい。



――だけど。

運命のその日は、すぐそこまで迫っていた。
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