愛を奏でるワルツ~ピアニストは運命の相手を手放さない~



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私はスマホを見て愕然とした。
見たのはレンのコンサートチケットサイト。
そこには赤文字でSOLD-OUTと書かれていた。

「うそ、でしょ・・・・・・」

今日はお昼を取る時間が午後一時前になってしまった。
だがあれだけ大きなコンサートホール、それも公演は二日間。
どちらか取れるはずと思っていた私は、休憩になった途端にスマホでチケットサイトを開いた。
だがそこで知ったのは無常な結末。
大きく肩を落とし、スマホを机に置いたまま突っ伏した。

甘かった。
まさかこんなにも人気になっていたなんて。
雑誌だけではなく、どこかで情報でも出たのだろうか。

「あれ?レン・ハインリッヒじゃない」

後ろからした声に私は驚いて振り向いた。
そこに立っていたのは私が補佐をしている、編集部の女性、谷本さんだった。
谷崎さんは小さなお子さんが二人いて、子供を預けられるようになったということから復職した。
だがフルタイムという訳にはいかず、私は補佐という形で仕事を学ばせて貰っている。

「格好いいわよねぇ、彼」

まさか谷崎さんからレンの事を振られるとは思わず、私は驚いた。

「谷本さん知ってるんですか?」
「うん。
私の友達が同じ業界に勤めてるんだけど音楽を扱う部署にいてね。
先日久しぶりの食事会をしたときに、その子がレンのファンになったんだと布教されたとこだったの」

彼女は苦笑いして答えてくれた。

「篠崎さんも彼のルックスにやられた?」

私が曖昧に笑うと、お昼にしようよと会社の休憩室へと誘われた。

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