君にかける魔法
5
「おはよー、お二人さん」

チア部が全国大会出場を決めた次の日。
学校生活は普通にやってくる。
変わったことといえば、学校の外に『チアダンス部 全国大会出場』という垂れ幕がかかっていたこと。

「ナツキ、具合は?」
「昨日大変だったんでしょう?」
「今日は元気だから!復活!」

ナツキは案外けろっとしていた。
元気になってよかった。
あんなに倒れそうな感じだったのに踊れるとは、体力なのか気力なのか、凄いなぁと尊敬する。

「ありがとね、昨日は」

小声で私の方を向いてナツキが言う。

「全然。治ってよかったよ」
「うん、ほんとありがとう」

前を向き直す。
今日も学校は始まる。









気づけば二学期も半分以上がすぎる。
少し寒くなってきた。

「進路調査の紙、とりあえずかいてみましょう。」

そういえばたまにもこういう紙は配られていたけど、そろそろ本格的に考えなければならない時期だ。


「クルミ、そんなにすぐ書けるんだ。すごっ」
「まぁ小さい頃から決まってるから。」

クルミの紙には『第1希望 ○○看護大学』と書かれていた。

「クルミ、看護師になりたかったの?」

「そんなに体が強い方では無かったし、自分の怪我とかで逆に決心が着いたわ。…ナツキも書いてるじゃない」

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