君にかける魔法
6
二学期が終わった。
今年ももう2週間ほどで終わる。

『美園さん、体調は大丈夫ですか?ゆっくり休んで、三学期元気にお会いしましょう。』

星川先生から来たメッセージを見て、そっとスマホの電源を消す。

人間不信気味になってしまった私は学校に行けなくなった。
運良くテストは終わった後だったし、今まで休んでいないので出席日数は足りてる。

テレビではもう年末特番がやっている。
夜に外を見ると、駅前の方角に少し明るいところがある。
きっと毎年恒例のクリスマスのイルミネーションだろう。

ベッドの上で、毎日部屋着で過ごす私には、その光は毎年見ているはずなのに、とてつもなく眩い光を放っている。

1度買い物に出かけてみようかとおもって、外に出ようとしたことがある。
でも、

「…っ、、はぁっ……」

家を少し出たところくらいで、動悸がした。
息がどんどん上がってきて慌てて家に引き返した。

私はこのままずっと、あの光さすところへ行くことは出来ないのだろうか。

今日も眠りにつく。




朝起きると、一段と寒かった。
私はベッド横に置いていたリモコンを片手に、エアコンをつける。

(あれ、)

エアコンは動かない。
リモコンの電源は音が出て反応する。

あまりの寒さに自分の部屋にはいられず、リビングに移動する。

「お、かあ、さん…、さむ、」
「モモ!…朝から停電で……」
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