君にかける魔法
2人の雰囲気に癒されながら、車は学校に到着する。
「ありがとうございました。」とお礼を言って、2人で人が集まっているところに向かっていく。

「ナツキ、おはよう。」
「2人ともおはよう。」

ナツキの様子が元に戻ったみたいだった。
出発までの時間、
飛行機の中、
前みたいに普通に話して、楽しくて…
私はほっとした。

空港からの移動時間、移動が長いことと、日々の部活の疲れからか、ナツキはとなりで寝てしまった。
バスの揺れが心地いい。

バスがカーブを曲がった時、その少しの揺れでナツキの頭が私の方に倒れてきた。
私にもたれかかるようにして、すやすやと寝ている。

「ナツキ、もうすぐ着くよー」

囁くように言うと、聞こえたのか少し体が動いた。
でもまだ眠っている…

「ほーら、ナツキ…ひゃっ」

周りに変な声が聞こえていなかったか周囲を見渡す。
特に何ともなさそうだ。
変な声が出た理由は

ナツキが急に私の肩の辺りに腕を回してきたからだった。

周りは全然気づいていないけど、かなりやばい体勢だ。
顔と顔の距離が近い。
体と体が触れ合う。

やばっ…

なんか暑い。

この感じに耐えきれなくなりそうな時、ナツキはしっかり目覚め、咄嗟に私から体を離す。

「ごめん、マジで寝てた」
「ううん。大丈夫。もう少しで着くよ」

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