Cherry Blossoms〜思惑の交差点〜
桜士の選択
すっかり日の暮れた午後八時半。桜士とヨハンは巨大な街道モニターが設置された広場へと来ていた。広場ではイベントが行われており、夜間だというのに人で賑わっている。

「あった!あの広告だ!」

ヨハンが鍵をモチーフにしたネックレスの看板を見つけ、指を指す。その隣に桜士も立ち、周りを警戒しながら見回す。だが、Cerberusの幹部たち独特のあの気配は感じない。

警戒する桜士を見て、ヨハンが「やっぱり本田凌とは違うんだな」と少し寂しそうな表情で言う。桜士はすぐに人当たりのいい笑みを浮かべ、「やだなぁ」と笑った。

「僕は本田凌ですよ。ヨハン先生、誰かと間違えてるんじゃないですか?」

「ああ、外ではそうだったな」

桜士とヨハンは今、この場所でCerberusからの接触を待っている。待っているのは桜士とヨハンだけではない。

具体的な場所が書かれていなかったため、eagleのメンバーと十も東京にあるそのネックレスの看板がある場所へそれぞれ行き、待っている。
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