【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
だからさぁ男女間の友情ってあるでしょ、なんて流そうとしても、それならお相手が居ない男性とどうぞ、とか言うんだよ。
この学院でそーゆーお相手が居ないのは、貧乏な底辺貴族の息子とか、余程のブサメンで縁談がうまくいかないヤツだけなの!

こっちはさぁ高等部2年からの編入なんだから、これぞ!の男は皆、お手付きだよー(泣)

あたしをそんな底辺の男とくっつけさせるつもりか、この悪役令嬢め!
あたしはこのゲームのヒロインなんだからね!
あたしを転生させた神様(女神様?)は、そんなの絶許(死語?)だよ!


と、言うわけで。
あたしはリシャール周辺を取りあえず置いといて、新しい攻略対象に近づきつつ、クロエの苛めを自演して、悪役令嬢の噂を流すことにしたの。
テンプレ乙ゲーだからね、苛め工作も定番のヤツだけど、いいよねー。


放課後、誰も居ない教室で決して安くはなかった教科書を破いた時は
『また買わせるけど、お父さんごめんなさい』だったし。


昼休み、ガラガラの水呑場で頭から水を被った時は、なかなか人が集まらないからそのまま教室に戻って教室で『噴水に突き落とされた!』って騒いで、夜から発熱して看病させちゃって
『徹夜になったね、お母さんごめんなさい』。

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