【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
「水の中に硬貨を投げ入れたいのは人間の本能なのかな。
 10年前に入学してきた平民の生徒がさ、放課後に噴水の底をさらって、貯まっていた硬貨を盗難したのが発覚してね。
 それから噴水を止めたんだよ」

「み、水を掛けられたんだった!
 もしかしたら、水呑場だったかも……」

噴水の水が止められていたのは衝撃の事実だったけど、下手な誤魔化ししか出来ないよ……
自分でも何言ってんだ、ポンコツか?と思うけど、ドミニクにその発言は無視されて、皆に囲まれた元の場所に追い立てられた。


「次は階段で押された、だよね?
 20年前くらいに同様の冤罪をかけられたひとが居てね。
 それからは怪しい動きやトラブルがあった時に階段に設置している魔力センサーが感知して、即時に音声付き録画機能が発動されるのも知らないんだよね?」

それ、防犯カメラ的な?


「ブラン先生立ち会いで事故当日の録画の確認をして貰って、君の転落は単独事故で、すれ違っただけのクロエの無実は証明されたよ。
 ついでに不自然な動きをしていたから、君の自作自演だと判断した。
 生徒会はこれから君が巻き込んだ下級生に話を聞いて、怪我の状態を確認して、それなりの慰謝料をビグロー家に請求する手続きを勧めようと思っている」
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