秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています
「嬉しいです、店長。精進します」
面と向かって褒められたことがなかったので、少し照れてしまう。
完全にフルタイムで働くことができず、お店に迷惑をかけてしまうこともあったりして申し訳ない気持ちにもなったりすることもあったけれど、
店長がくれた言葉に、自分ができる範囲で力を尽くし、お店に貢献しようと思える。
温かい気持ちのまま西館の連絡通路に移動し、私たちは残りの視察をこなした。
「じゃあ、下で解散にしよう」
「はい。また明日からよろしくお願いします」
貴船店長はこの後、数カ月前に建てた新店舗に顔を出す予定のようだ。
私は仕事が休みのため、早めに家に帰り、夕飯の準備や家事をすべて終わらせ、あやめを迎えに行く。
ふとクリスマスプレゼントを五階にあるおもちゃ屋さんに見に行こうか……と、考えが過ぎったときだった。
前方からスーツを着た背の高い男性ふたりと、女性が歩いてきた。
遠目からも三人のスタイルの良さと小顔が際立っており、その場が華やいでいる。
まさか。
「……協賛エリアも大盛況で安心しましたわ。この後、お昼はどうします?」
「俺はまだ仕事が残っているから、ふたりで行ってきてくれ」
前を向いた彼と視線がぶつかり、互いにはっとした。
勘が当たってしまい、激しく心臓が動き始める。
「あれっ。貴船さんじゃないですか!」