悪役令嬢リセルの恋
アクセルが眉根を寄せて首をかしげる。この世界にミジンコはいないのかもしれない。しかし、いったん口に出してしまったからには、通じなくても押し切るのみだ。
「ええ、とっても小さな生き物よ。そんな微細な心から生まれる正義や忠誠心なんかじゃ、有事の際は真っ先に逃げてしまいそうで不安だわ。青狼なんていうけど、その程度の人の集まりなのかしら」
「なんだと!?」
「黙って聞いていれば、我ら青狼の騎士を馬鹿にするのか!」
静観していたほかの騎士たちも声を上げ、リセルに詰め寄ってくる。あっという間に小柄なリセルは騎士たちに囲まれてしまい、炎の壁のような威圧を受けた。
──う……さすがに怖い。どうやって切り抜けよう……。
殺気を受け、冷や汗が背中を伝っていく。
「騎士がどんな存在か。教えてやる必要があるなぁ」
指をポキポキ鳴らすアクセルがじりっとにじり寄ってきた。その刹那、凛とした響きのある男性の声がした。
「貴様ら、なにをしている!」
瞬間的にサッと姿勢を正した騎士たちの様子が、声の主は権力者であると物語っていた。
「団長」
騎士たちは焦りながらも右腕を背中側に回し、敬意の姿勢をとっている。
──青狼の団長……人格者とのうわさがあるけど、どんな人かしら。
「ええ、とっても小さな生き物よ。そんな微細な心から生まれる正義や忠誠心なんかじゃ、有事の際は真っ先に逃げてしまいそうで不安だわ。青狼なんていうけど、その程度の人の集まりなのかしら」
「なんだと!?」
「黙って聞いていれば、我ら青狼の騎士を馬鹿にするのか!」
静観していたほかの騎士たちも声を上げ、リセルに詰め寄ってくる。あっという間に小柄なリセルは騎士たちに囲まれてしまい、炎の壁のような威圧を受けた。
──う……さすがに怖い。どうやって切り抜けよう……。
殺気を受け、冷や汗が背中を伝っていく。
「騎士がどんな存在か。教えてやる必要があるなぁ」
指をポキポキ鳴らすアクセルがじりっとにじり寄ってきた。その刹那、凛とした響きのある男性の声がした。
「貴様ら、なにをしている!」
瞬間的にサッと姿勢を正した騎士たちの様子が、声の主は権力者であると物語っていた。
「団長」
騎士たちは焦りながらも右腕を背中側に回し、敬意の姿勢をとっている。
──青狼の団長……人格者とのうわさがあるけど、どんな人かしら。