あの日ふたりは夢を描いた
*理央side*

夏休みは病院通いが続いた。大量の薬を飲んでなんとか全身の痛みを誤魔化す毎日。

『本当だったら踊っている場合じゃない。すぐに入院した方がいい』

医者からそう言われたが断った。
両親はものすごく心配していたようだが、僕の頑固な性格をよくわかっているのでなにも言ってこなかった。

夏休み中は先輩のコンサートがあり、後ろで踊る大きな仕事が入っていた。

良いポジションで踊らせてもらえるので、せっかくもらえた機会を無駄にしたくなかった。
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