あの日ふたりは夢を描いた
だけど驚いたのは自分にだけじゃない。

『さぁ、きみの秘密は?』

そう問いかけると、彼女は僕の目を真っ直ぐ見て呟いた。

『……好き。

あなたのことが好きです』

恥ずかしがり屋の彼女がそんなふうに言ってくれたことが一番の衝撃だった。

『それが私の秘密。どう?ずるして勝って満足した?』

嬉しくて幸せで、彼女の可愛い文句を無視してもう一度キスしてしまった。

ごめんね。これ以上の関係にはなれないのに、無責任なこと。

だけど我慢できなかったんだ。ひと夏の思い出として許してほしい。
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