あの日ふたりは夢を描いた
『将来の夢。
私の将来の夢は小説家になることです。

私の叔父は都内に古書店を営んでいて、そのおかげで小さい頃から本に触れる機会が多くありました。

いろいろな本を読んでいくうちに小説の世界にはまり、いつか自分もこんなふうに人をわくわくさせることができる小説家になりたいと思うようになりました。

夢を叶える方法としては、開催しているコンテストに応募することや、インターネットのサイトに小説を投稿することなどが挙げられます。

夢を叶えるために、現在取り組んでいることが三つあります。一つ目が……』

小学六年生の夏休み明け。

地元が主催していた『夢』がテーマの作文コンクールで賞を取った私は、始業式に全校生徒の前でその作文を読むことになった。

自分には少し大きい演台の前で、両手に原稿用紙を持って堂々と話す自分の姿を思い出した。

手も足もくちびるも震えることがなかったあの頃。

人の視線も恐れず真っ直ぐに前を向いていたあの頃。
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