「孤高の悪女」で名高い悪役令嬢のわたしは余命三か月のようなので、最期に(私の想い人の)皇太子の望みをかなえてあげる予定です。なにか文句ある?

さっそく暴れに、ではなく授業に行きましょう

 迷ったけれど、乗馬服で授業に出ることにした。

 当然、授業の中に乗馬もある。

 乗馬は、貴族の社交に欠かせない。とはいえ、それはひと昔前のこと。現在は、ほとんど馬に乗ることはない。

 それでも、頭が固くて融通の利かない人たちは乗馬は必須だと譲らない。

 今日、乗馬の授業があるかどうかはわからない。

 シュナイト夫人がなにも知らせてこないから。

 つまり、知らせるつもりがないのである。

 だから、こちらも万全の準備をしておくしかない。

 だから、乗馬服を着用しておこうというわけ。

 そして、わざと遅れて行くことにした。

 開始時間も知らせてくれていない。だれかに知らせにこさせることもない。

 だから、適当に行くしかない。

 というわけで、もう間もなくランチタイムというタイミングで参加することにした。

 常識では考えられない時間帯に、である。
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